栞:「幸せな人生」に必要なたった1つの言葉(メッセージ)(大津秀一)
p18
死期がわかった時点で
「○○さん、××をしてくださって、ありがとう」と打ち込み始めた。
自分がどれだけの人に支えられているか、わかった。
p21
人生の最終段階の呼び方「完生期」
キーワードは「ありがとう」
p27
最後に子供と一緒に遊ぶことで思い出を残した人。
p29
恋愛で結婚したのに。
死と直面しても夫と心を通わせることができない妻。
その夫がようやく謝った。
p34
先生、生きるって、こんな世の中と和解する過程なのかもしれません。
p35
残念なことですけれど、私は死ぬってことを受け入れた時に、初めてさまざまな感謝が生まれてきたのです。
p44
最悪な父だった。母の仏壇に手を合わせると、お母さんが「行ってあげて」とささやいたかのように感じられた。
p49
こんな父親がいたからこそ、私は世の中が優しくはないって痛いほど気がつけました。
p52
あるアンケート。
子どもが考える親孝行「旅行につれていく」「ごちそうする」等のdoing
親が子どもに求める親孝行「元気でいてくれること」being
p61
息子は「運動しろ」
娘は「食事に気をつけろ」
私はアスリートじゃない
p77
できが悪い私をずっと見ててくれた私。
ただ一度だけ怒られたとき。
「これだけはだめ。私たちの仕事は、お客さんの気持ちにならなくちゃ」
p83
逝く側の躊躇。
送る側のためらい。
けれど、誰もがいつ、最期を迎えるかわかりません。
だから、「伝えたい思い」は、今、伝えなければ間に合わないのです。
p87
医療が進歩した今では、症状緩和によって元気に見える時間が長いため、最後の経過がより急に見えるようです。
p90
見送る人からの「ありがとう」はためらわれることがあるが、迷わず言えばよい。
p94
すぐに帰りたかったがどうしても帰れず、ようやく帰ったときにはもう話せなかった祖父。
健康寿命と平均寿命には10年ものギャップがある。
p102
優等生の兄弟に比較されて、体裁の悪い仕事についた人。
そんな自分も、精子の段階では、一等賞だった。
人生の始まりにおいては、ナンバーワン。
p115
太く短く、といった夫を20年介護した妻。
「早く死んでほしい」という思いに罪悪感を抱かないでほしい。
p130
当たり前すぎて、価値がわからないもの。それは平和。
p138
遺言。
ゆいごん。
結い言。
逝くものと残るものを結わえる言葉。
p143
「もう死んでもいい」という患者に、「看護師も代わりがいっぱいいるけど、私はあなたがいなくなると寂しい」と答えて、患者を絶句させた看護師。
p154
切れ者で、若くして肺がんが進行した人。
以前は天気など気にしなかった。
人は雨なら晴れ、晴れなら欲する存在。
p168
財産がないからこそ、遺産相続の争いと無縁で、静かに死んでいくことができる。
p175
超マイナス思考の患者。
「最近は趣味もできない。競艇場だって、丸亀とかびわことか、5箇所くらいしか行けていない」
ストイックすぎて、求めるものと現実のギャップに苦しむ。
治療、療法に頑張るだけ頑張って「偉いです」と声をかけられて、死んでいく。
「今日明日」を三度繰り返して、三度頑張って、亡くなった。