5月31日「大人の遠足」

5月31日に鉄分の濃い有志11人で「大人の遠足」に出かけました。

集合まで

東京メトロ葛西駅集合ということで地下鉄東西線で行ったのですが、ほとんどの電車は水色のラインの電車なのに、偶然にも東葉高額高速鉄道の電車が。一般の人にはJR中央線に見えるのではないかと。

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今日は5月31日。明日6月1日から都営地下鉄が消費税転嫁のため値上げとなります。4月に一斉に足並みを揃えられなかったので、東京メトロはじめ通しのきっぷ(連絡きっぷ)を販売する各社は二度手間を強いられました。

東京メトロの案内ポスター。下の方には各駅間の運賃が掲載されていますがポスターとは思えないフォントサイズ。視力5.0くらいなら読めるかも……

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地下鉄博物館

首尾よく集合して、まずは東京メトロが運営する地下鉄博物館へ。

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入場券210円。少し前に来た時は自動販売機はPASMO非対応だったと思います。しかしこの自販機、使いづらかった。

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スマホモバイルSuica)をタッチして、紙の切符を購入。その先には自動改札機が……やっていない。そしてさらに先には有人改札。なんだかよくわからないですが、切符を切ってもらうのはいいものです。

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チョキン。

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入るとまず出迎えてくれるのが、丸ノ内線赤い電車です。側面には∞∞∞のような模様(正弦波:サインカーブ)がありますが、塗装ではなくステンレスなのです。ドアが開くところもちゃんと。

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普通の電車は電気を天井上の架線から取りますが、丸ノ内線などはレールの横にあるもう一本のレール(第三軌条:サードレール)から電気を取ります。SがShoe(シュー:集電靴)、FはFuse(ヒューズ)だったかな?そして電線の部分以外は「木」!確かにここが金属だったら車内で感電しちゃいますね。こういうマニアックな部分が「大人の遠足」ならではです。

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営団マークのマンホール。

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銀座線初代の電車。「運轉室」の「轉」がいいですね。

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銀座線の集電靴。これは「木」とハッキリわかります。

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銀座線の車内。電気が流れている第三軌条の切れ目では、昔車内が暗くなっていて、その時にこのランプが点いたそうです。

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銀座線と丸ノ内線しかなかったころの案内図。
・ラインカラーがありません。
丸ノ内線は新宿止まり。
溜池山王駅がありません。
・銀座線は銀座駅丸ノ内線は西銀座駅、別々でした。
表参道駅はまだ神宮前駅です。

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丸ノ内線の車内。運転士側は箱に入っていますが、車掌側は開放的ですね。

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日本で一番古い銀座線。開業時から「打子式ATS」という、赤信号を超えた時の緊急停止装置がありました。丸ノ内線では98年まで現役でした。

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レールにくっついた白い打子が車体の弁のレバーに当たり、ブレーキ管の空気が吐き出されて非常ブレーキがかかります。

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これはなんのためのものかよくわかりませんでした。

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副都心線開業時の記念PASMO。開業直後は毎日「!」でしたね。

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メトロ3本目の日比谷線の開業パンフレット。丸ノ内線の新宿から先は「荻窪線」と言っていました。450億円というのは今のどれくらいにあたるのでしょうね。

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東横線との直通は終わってしまいました。

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お金を入れると通れる改札口です。実際に試せます(お金は戻ってきます)。

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リコ式のつり革。RICO社なんですね。頭を打つと痛いです。

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客室にあるドアの開閉装置。車掌も客室にいたのでしょう。

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日本人が「たん」をはかなくなって随分たちます。「たばこ」ものめなくなりました。まどは開かないので「かほ」や「て」も出せません。

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春場所の案内。当時は11日間だったのでしょうか。

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マネキンに何か貼ってあります。固定資産使用シールです。そこに貼らなくても……同行者はべつの場所で、遺跡からの出土品に貼ってあるのを見たことがあると言っていました。

 

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中央線の旧万世橋駅はリニューアルオープンしましたが、銀座線に「万世橋」があったのは知りませんでした。「時代の最尖端を行く雷門直営食堂」とはどのようなものだったのでしょう。

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13号線(現副都心線)の工事中のポスター。新宿七丁目、新千駄ヶ谷という仮称でした。

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輸送指令室のシミュレーションコーナー。駅でのトラブルにどう対応するか。正解は写真の後に。

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正解は「ドアを開けたのち……」でした。お客様第一ではありますが、ダイヤも守らなければいけません。

こういうのを見ると、もともとなんと書いてあったのか「き」になります。

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東京メトロでの車内冷房導入は極めて遅く、銀座線、丸ノ内線はスペース的な問題もあって、92年にようやく冷房車両が登場しました。長年、トンネル内の温度上昇を抑えるために、トンネルを冷房して、窓を開けるという形をとっていましたが、その点の展示は見つかりませんでした。

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以前の案内表記。「国鉄線」というのが懐かしいです。

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銀座線のルーツは、浅草~新橋の東京地下鉄道と、渋谷~新橋の東京高速鉄道です。こちらは東急の総帥、強盗五島慶太氏が率いる鉄道でした。地下鉄の父、早川徳次氏は経営権を奪われてしまいますが、営団東京メトロはやはり早川氏や東京地下鉄道を誇りに感じているようです。しかし、百貨店と一体になった渋谷駅は、東京高速鉄道ならではのものではないでしょうか。電車は「三越前」まで直通してしまうのですが。

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図書室に立ち寄ります。

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営団地下鉄の建設史は「東京地下鉄道○○線建設史」のような題名がついていました。年代が下るにつれて、東京の地下は複雑になり、半蔵門線大手町界隈の工事では各所と協定を結んだようです。

営団地下鉄は電車のスタイルや制服などでなかなかの洒落っ気があったのですが、一風変わった「マナーポスター」も有名です。図書室にはマナーポスターをまとめた本もあるので、是非ご一読を。先ほどの空調に関しては「窓を開けよう」というポスターが何度も作られているのがわかりました。

こちらで少し紹介されています。
http://jipangnet.blog.fc2.com/blog-entry-101.html

クイズコーナー。博士コースはなかなか難しいです。

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車体が動く本格的なシミュレーターもあります。写真撮影は自由だがビデオ撮影ご法度というのは、やはり警備対策なのでしょうか。

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BOSEのスピーカーで走行音も再現。

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この「出口」は旧デザインですね。

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葛西から東向島

さて、葛西駅から西葛西駅に移動します。またもや東葉車でした。通過待ちに一枚。

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西から読んでも西葛西、東から読んでも西葛西。

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都バス「亀29」系統で亀戸までやってきました。駅は正面の白いのではなく右の茶色いビルでした(笑)。

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東武亀戸線。東急世田谷線のようにメディアで取り上げられることも少ない、知る人ぞ知るローカル線です。駅番号は「TS44」東京東武スカイツリーラインの支線扱いです。

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次の目的地はここ。

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8000系の電車が短い2両編成でやってきます。おでこに車体番号を書くのが東武流。

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もちろん先頭に陣取ります(周囲の乗客の方、すみません)。

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途中駅の「東あずま」。他の地名は無かったものか、と思うのは私だけでしょうか。まぁ、日暮里・舎人ライナー「西新井大師西」駅よりはマシかもしれません。

その後「東あずま」という駅名に疑問を感じたのです。
あずまは「吾嬬」という地名から来ているが、これは「あづま」ではないのか。
結論としては「東あずま」駅命名時は「東あづま」であるべきだったが、今命名するなら「東あずま」にされるだろうということ。

「津覇車輌」東武にあまり馴染みがない私には、初めて見る銘版でした。

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4駅目で終点の曳舟です。たった3.4キロしか走っていません。ここで乗り換えます。

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福島県会津田島駅まで向かう区間快速が通ります。このように、私鉄としては旅情を感じさせる列車が多いのも東武ならではです。

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東向島(旧玉ノ井)駅です。この後昔の地図を見て、銘酒屋という言葉が出てくるのですが、そういう意味だったんですね。隣の駅の「鐘ヶ淵」は、For Beautiful Human Lifeカネボウ、鐘淵紡績のルーツだそうです。

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東武博物館

今日の遠足の最終目的地「東武博物館」に到着。

f:id:banocchi:20140531145500j:plainドイツ有数の観光地、ローテンブルクの背後にそびえる東京スカイツリー(R)。

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なんと、ここでは東武博物館名誉館長の花上嘉成氏から、説明を伺うことができました。写真はSL B1形です。

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デハ1形5号電車。この斜めの支え棒?も見どころの一つだったそうなのですが、よく聞き取れず、すみません。

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車内。やさしい明かりと二重天井:ダブルルーフが特徴です。

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窓のブラインドは鎧戸。

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上の小窓も開きます。

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扉は手動。ゴロゴロと重々しく開閉します。

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正面は五枚窓。側面には「草淺←→井新西」の案内がありました。

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アルナ工機に保存されていた5700系5703号(前面部)です。搬出、搬入には相当苦労したようです。

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戦後まもない1951年(昭和26年)の日光・鬼怒川向け特急、5700形5701号(ネコひげ)。後のデラックスロマンスカー(DRC)の先輩です。前頭部は搬入後に改めて当時の姿に戻したようです。

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車内の様子。シートは前後に方向転換できます。あまりの人気に「補助席」も用意されました。デッキには売店も。昭和26年ですよ?

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となりの小学校では運動会。土曜日に開催するんですね。実は中庭展示の車両は、小学校の校庭から搬入されたそうです。車両は重く、校庭を傷めてしまうため、校庭の改良工事があるわずかな期間で搬入しなければならなかったそうです。保存への熱意に頭が下がりました。

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ロープウェイのゴンドラは生憎見られませんでしたが、搬入の様子が。

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東武博物館は動かない車両の展示(静態保存)だけではなく、東武鉄道から車両を買い取って、動く状態での保存(動態保存)も行っています。この列車は貸し切りもできるそうです。6両編成の堂々たる電車の貸し切り!
参考:http://tusrail.seesaa.net/article/394766310.html

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東武といえばDRC(デラックスロマンスカー)。

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カットされていますが、車内に入ることもできます。シート間の間隔が広いことにビックリ。新幹線に初めて乗った時に車両間のドアが自動だったことに驚いた人もいたでしょうが、実はこの自動ドアはDRCが日本初で、この車には「自動扉 AUTOMATIC DOOR」と書いてありましたが、宣伝文句は「○○○○ドア」だったそうです。

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その後、博物館の奥の「ウォッチングプロムナード」。観察の小道とは?と思いながら階段を登って行くと、天井の低い、殺風景な、廊下とも部屋ともつかない場所へ。しかし右をみるとそこには窓が!

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軽症「あ、スペーシアが通ったヽ(^。^)ノワーイ」
重症「いまの音は住友の台車だね(`・ω・´)キリッ」

「いやぁわれわれ脚フェチにとっては実にたまらない場所ですなぁ」

模型のパノラマもありましたが、やっぱり東京スカイツリー(R)が……

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浅草へ

そして、お見送りをいただきながら東向島駅に戻り、東武浅草駅へ。後ろ2両のドアはホームがあるのに開きません。ホーム先端まで行くのは狭すぎるためです。

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天ぷらの名店で打ち上げ。

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鉄道グッズをかけたクイズ大会が開かれましたが、難問ぞろいで、13問のクイズの1位は8問正解の方。

■オーソドックスな難問
「銀座線開業時に一番切符を手にしたのは?」
(答:原信太郎氏。原鉄道模型博物館で有名)

■ひっかけ問題
「大手民鉄16社中、関東で一番営業キロが長いのは……」「東武!」「……ですが、では2位はどこでしょう?」

「西武」
「京成」

「正解は、東京メトロでした!」
東京メトロが大手民鉄というのを皆、見落としていたのですが、よくよく考えると営団時代から民鉄協に加盟していたわけで、酒が入っていたとはいえまだまだですね……

■マニアック問題

「日本で初めて貫通路に自動ドアを装備した東武DRC。その自動ドアの名称は?」

「マジックドア」

■無茶ぶり問題
「(私が利用する)井の頭線渋谷駅のアベニュー口の営業開始時間は?」
「……アベニュー口ってどこ?」

 

他にも、参加者の方の最近の武勇伝や懐かしい話を肴に、楽しい時間を過ごしました。

せっかく浅草まで来たので、浅草寺に寄って、雷門で解散。

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おつかれさまでした。